アンチリフトサスに換装
2024年1月
後輪サスペンション回りが一段落したので、前輪サスペンションを触ろうと思う。簡単に済ますなら、サスを替えてリンクのオーバーホール。大掛かりにやるなら、アンチリフトに換装。もしアンチリフトにするなら、どんな部品が必要か検討した。
インターネットに多くの情報がある。ありがたい。中古部品はヤフオクにいつも出ている。二万円+送料くらい出せばFフォーク~ブレーキパネルの一式が手に入る。問題になりそうなのは、年式によってブレーキドラム/パネルの形が違って互換性が無いこと。私のカブは車体番号からC70CMHらしい。この型はブレーキドラム/パネルが旧型(前期型):GB4/GK4。いまヤフオク辺りで出回っているのは、ほとんど新型(後期型):GBJで、車輪(またはハブ)まで揃えないと組めない。Fフォーク~ブレーキパネル~前輪の一式だと三万円+送料くらいか。スポーク/リムが傷んでいるから、車輪まで替えるのも悪くはない。
または旧型(前期型)のブレーキパネルを手に入れるか。これが手に入れば現車のハブに合うから、フォーク/サスは新型でも組めるらしい。ヤフオクをしばらく眺めていたが、旧型のブレーキパネルは出てこない。
ヤフオクで部品購入
後期型で前輪を含む一式の比較的安いのが見つかった。フロントフォーク+サス+ブレーキパネル+前輪で21,000円くらい、送料別。同じ車体から外したものだから、組み合わせは問題ないだろう。不安材料はハンドルストッパーの爪がちょっと曲がっているように見えること。「曲がり無し」の表示ではあるけれども。爪に打痕が見えるから、そこそこの転倒はしているだろう。こういう中古部品で細かいことを言いだすときりがないし、曲がっていたとしても少しだから、そのまま使えるだろう。という結論に至って購入することにした。
キックペダルも買って、送料・割引クーポン込みで約23,000円。
ハンドルストッパー修正
部品が来た。思いのほかきれいな品だった。ハンドルストッパーは少し曲がっている。打痕があるし曲げ加工の部分に塗装割れがある。
このままでも使える程度と思うが、せっかく部品単体になっているから修正を試みた。ボルトの頭を引っ掛けて、反対側からナットを締めて引っ張った。何とかなった。
サスペンションを外して点検。汚れも少なく良い感じ。リンクを分解。内輪に若干の傷あり。耐水ペーパーで磨いて修正。モリブデングリースを入れて組み立て。
塗装するつもりだったが思いのほかきれいなので、このまま使うことにする。わずかに出ている錆を落として錆チェンジャー。サスの入るポケットと内側のタイヤ側に水性のシャーシークリアを塗った。この水性シャーシークリア、初めて使うのだけれども、なかなかいい感じ。低温・高湿でも垂れにくい。はみ出したところは水拭きで取れる。これからもっと使おうと思う。
交換作業。ヘッドライトに来ている配線を全部外さないといけない。外すのはいいけど、つなぐときがたいへん。
フォークが外れたところでトラブル発生。上側ベアリングレースに傷がある。走っていて何も感じなかったので意外だった。以前ハンドルが取られるのでベアリングの締め加減をいじっていた時に締め過ぎていたのだろうか。
見過ごせないくらいの傷なので交換したいが部品が無い。深呼吸して考えたら、前回交換したときに外したものを「捨てなきゃ」、と思った記憶がよみがえった。が、捨てた記憶はない。探したらあった、ラッキー。
外そうとするが外れない。鉄シャフトを当てて叩く。普通なら直ぐ外れるはずなのに外れない。アパートの駐輪場なので叩く音が響くのが気になる。もしかして前回入れそこなって、傾いて変形していたのかも。しつこく叩いて何とか外れた。
レースの縁が変形しているのは外すときに苦労した跡。ボールが当たるところに段付き・変形がある。これだけ変形していたら引っかかったりしそうだが、走っていて違和感はなかった。
代わりに入れるのは使い古しだが、目立った傷は無いので使えるだろう。すんなり入った。叩き込む音と手触りで奥まで入ったと思う。念のために下側も叩いて入っている(であろう)ことを確認した。
組み立て。ベアリングボールはリテーナー付きのが付属していたので楽だった。特に問題なく組んで、もうすぐ完成というところでトラブル発生。ステムに入れるカラーが残っている。残念、やり直し。寒い時期なので(比較的)暖かい時間帯に作業して、二日で完成の予定だったが三日かかった。
追加作業の要る箇所を発見したが後日ということで、何とか完成して試運転。いいね。初めフロントブレーキをかけてもハンドルが浮き上がらないことに違和感を覚えた。しかしすぐに違和感はなくなり、普通のオートバイ同様にブレーキを掛けてもフロントサスが働くことに感動した。とても良い。やって良かった。
追加作業
メインスタンドのストッパーラバーを交換。メインスタンドがチェーンケースに当たっていた。原因はストッパーラバーがヘタっていたこと。部品を替えて正常になった。
メインスタンドのシャフトは左側が割りピンで止まっている。それでいいんだろうが、ワッシャーを入れたい。手持ちに内径が合うのがあったが、厚くて収まらなかった。厚さ1mmのスラストワッシャーを仕入れて、上手く収まった。
前輪周りは全てヤフオクで買ったものに交換した。もともと前輪に入っていたブレーキシューは、まだ新しいので後輪に移した。
ヘッドライトケースに入っている配線が傷んでいる。ギボシ交換で済むところを対処した。
2024年2月
取り外したフロントフォーク一式をヤフオクで売却。安く出品したら、すぐに売れた。
2024年3月
もともと付いていた前輪のタイヤ/チューブを外して、ホイール+ブレーキ周りを洗浄。タイヤ類は後輪に使う予定。ホイール周りはヤフオクで売却。これらも安く出品したら、すぐに売れた。
後輪の塗装とタイヤ交換
後輪周りを整備。以前、錆を落として塗装した。その後こすれて塗装がはがれたり、再び錆が出たりしている。洗浄して目立つ錆を落として再度塗装した。塗料はこれまでカンペパピオの油性シリコンラッカーを使っていた。普通のアクリルラッカーよりも長持ちすることを期待してこの銘柄を選んだ。残っていたもので塗り始めたが、途中で無くなった。
塗料をアスペンラッカーに替えた。スイングアームを塗るときに使ったアサヒペンのアスペンラッカー。汎 用品で色が合ったのでこの製品にしたのだが、垂れにくくて使いやすかった。商品説明には書かれていないが、容器には「シリコン変性」と書かれている。ならば油性シリコンラッカーと同等ではないか。替えてみてアスペンラッカーの方が使いやすくて良い。値段も少し安い
タイヤは前輪に使っていたKINGSTIREの#9335、サイズ2.50-17をチューブと共に移した。リムバンドは新しいものを使った。
右側のチェーンアジャスターのねじ山が傷んでいるので交換した。95014-10010を買ったが、ねじ部分の長さが短い。何とか届いて使えたが、スプロケットサイズによっては届かないこともあり得る。パーツリストをよく見ると、この番号はC50用になっていて、C70/C90は別の番号が当てられている。同じだろうと思って買ったが違った、残念。
シャフトは本来右側から入るが、リアサスが長くなってマフラーと干渉して入らないので、左側から入れている。
エンジン分解整備
2024年4月
長くなったのでエンジン分解整備のページを独立させた。
リアサス分解・短縮
リアサスがちょっと長くてマフラーとスイングアームが干渉したり、センタースタンドを立ててもタイヤが接地している等、不具合が起きている。乗り心地は良くなって交換してよかったが不具合は何とかしたい。
この手のサスはダンパーの軸がねじでブラケットにつながっているから、ねじ込み量を多くすれば短縮できるのではないか。そのためには、まず分解しなければ。
コンプレッサーを持っていないから、汎用品で何とかならないかチャレンジしてみる。ネット検索するとターンバックルで縮める方法があった。このアイデアを頂いた。それで汎用金具・ターンバックル・ボルト類で造ったコンプレッサーがこれ。
ロックナットを緩めてもブラケットが緩まない。ダンパーのシャフトをプライヤーでくわえて、やっと緩んだがシャフトに傷がついてしまった。ねじのすぐ近くだからダンパーの機能には影響ないと思う。ねじロック材が使われていた模様。
分解してどうするか検討した結果、ロックナット無しで結合することにした。ナットの厚さ6mm+α短くなる。緩み止めとしてネジロック材を使う。元通りに組み立てて完成。1cm弱、8~9mm短くなった。まだノーマルより少し長いが不具合は解消した。
リアスプロケットの選定
2024年5月
エンジン整備がひと段落して、リアスプロケットの歯数をどうしようか考える。今は16T/35Tを使っている。エンジン整備を考えていなかった時期に、2速→3速のつながりを良くするために36Tに替えようとしていた。摩耗してきたので、16T/36Tのスプロケットとチェーンはすでに買ってある。
エンジンのパワーが上がって、2速→3速のつながりは解決した。走っていて34Tでもいいんじゃないかと思うこともある。平地では34Tでいいが、上り坂や向かい風が強い時はどうかなとも思う。
試運転を繰り返した結果、現行の16T/35Tで行こうと思う。条件が良いと34Tが快適かもしれないが、悪いと2速→3速のつながりが気になるだろう。35Tスプロケットを手配しなくては。
キャブレター調整
PZ19 油面調整 MJ変更
何度か給油して、燃費は40km/L程度。72ccの頃よりちょっと悪いくらい。走ること自体は調子良い。プラグはNGKの7番で、ちょっとくすぶり気味。燃費のためにも、もう少し薄くできないか試みてきたが上手くいかなかった。薄くするとアイドリング不安定/高速吹けない/ノッキングなどの不具合が起きる。整備・ボアアップして様子が変わるだろうから、再度キャブレター調整を試みる。
暇なときにPZ19について検索していて、出荷時の油面が低いので油面を上げるという情報を見た。これまでやってきた調整は、MJ/SJを大きくして濃くなって調子良いがくすぶり気味。なので油面を低くして何とかならないかと考えたが上手くいかない。というところで行き詰っていた。逆に油面を上げてジェットを小さくするのを試してみようと考えた。
油面の標準値が判ればいいのだが、いくら検索しても見つからない。純正キャブレターが油面調整できない(固定)構造のためかもしれない。
いままでやっていなかったが、実際の油面を測った。ドレンホースの先を上げてドレンプラグを緩め、出てきたガソリンの高さを見るというもの。結果はフロート室カバー合い面から -5.5mm。これで分解してフロートの高さは15.5mm。これを12.5mmにして、組み立てて実測すると -2mmになった。3.5mm上がったことになる。SJは#42のまま変えずに、MJを#82→#80にした。
試運転の結果は良好。20kmほど走ってプラグを見ると、以前より少し焼け気味になっている。良い感じ。これでしばらく様子を見る。
山道を走ってみた。上り坂が続くところでオーバーヒートした。#82のメインジェットのときは起こらなかった。#80では薄いか。
別件だがこのPZ19、エアースクリューの調整がおかしい。1/2回転くらいの位置で調子よくなるが、SJを換えても位置があまり変わらない。また締め切っても止まらない。どこかからエアーを吸っていると思うが、その場所が見つからない。
純正キャブレター再登場
PZ19の調整が上手くいかないので、純正キャブレターに戻してみる。純正キャブを止めたのは燃料コックからのガソリン漏れと、マニホールド取り付け部のねじ山が飛んだため(一回目に飛んだ時にヘリサートを入れて、その数年後にヘリサートの回りの金属もろとも飛んだ)。修理を断念してPZ19に替えたが、捨てずに残しておいた。
燃料コックはPZ19のものを移植。ねじは内側をJBーWELDで肉盛りして内径を合わせる。ボルトを受けるため外側、マニホールドの反対側に、板ナットを付けた。設定はSJ#40/MJ#80/ニードルのクリップ3段目(中央)。
調子よく走る。アイドリングも安定しているエアースクリューの調整は1~1.5回転くらい。市街地走行ではPZ19との違いは感じない。山道の上り坂も試した。PZ19+MJ#80と同じようにオーバーヒートを起こした。全開のパワー感はPZ19の方が少し上か。
スロットルの遊びが無いので調整しようとしたが、調整の限度まで行っても遊びが生じない。なぜだろう。ワイヤーが縮むかなぁ。ハイスロを入れているが、それだけでこんなに短くなるか?。仕方がないのでアウターを短縮。しかし調整しているときにハンドル側のアウターを傷つけてしまった。交換した方がいいような。
MJ交換 #80→#82
高負荷下のオーバーヒートをなんとかしたいのでMJ交換。MJ#82に替えても平地では体感的な変化は感じない。調子よく走る。冷えているときにチョーク無しで掛かるから、ちょっと濃いのだと思う。プラグのカーボンも増えた。エアースクリューを2回転戻しにする。
給油した。燃費が良くなった。PZ19だと40km/Lくらいが、純正キャブで45km/Lくらいになった。
いつもの山道を走った。上り坂でオーバーヒート/パワーダウンは起こったが、MJ#80よりは程度が軽かった。
エンブレの後スロットルを開けた時に息つきする。開け始めても反応せず、一瞬遅れてドンと回転が上がる。走りにくい。
パワーを求めるならビッグキャブだろうが、平地/市街地では体感的な違いはないし、燃費の良さはとても魅力的。純正キャブで、もう少し調整してみようと思う。スロージェットを小さくして、メインジェットは大きくしてみたらどうだろうか。
SJとMJ交換
SJとMJ交換。SJは新たに購入した。ホンダ純正部品で450円くらい。SJ#40→#38、MJ#82→#85、ニードルのクリップ下から4段目。エアースクリューは1-1/4。調子よく走る。エンブレの後の息つきは治った。スローが濃かったのか。
前輪タイヤ交換
リム内側は予想通り錆びていたので、錆を落としてサビチェンジャー+塗装。タイヤ+チューブ+リムバンド交換。タイヤはIRC NR78Y 60/100-17。後輪用だけれども前に使っても違和感のないパターン。このサイズにしては硬くて、最初からタイヤレバーを使った。回転方向の指定がある。後輪用を前に使うので逆方向にした。何事もなく作業完了。
試運転。少し倒れ込んでいく感じがあるが、たぶん空気圧が高すぎるのだろう。圧力計持っていなくて、自転車用空気入れで適当に入れたから。
後日、給油のときにエアーチェック。300kPa近く入っていた。200kPaくらいにした。倒れ込む感じは、まだ少しあるが気にならなくなった。
グリップ交換
CB750のグリップを換えた。外したグリップは傷があるけれど、まだ使えそうなのでカブに着けてみた。純正品より長くてグリップが余るから、バーエンドを着けてごまかした。良い感じなので、きれいに納まるようにハンドルを延長する。
- 目標 ハンドルの内径に収まるアルミカラーを入れてねじで固定。ハンドルと同じ外径のパイプをかぶせて、バーエンドで止める。
ハンドルの内側に(たぶん)溶接の突起があるので、やすりで削り取る。延長は現物合わせの結果、右が12mm、左は10mmになった。カラーを入れて固定用のねじ穴を開ける。とりあえず2mmで開けて、カラーはM3のねじ穴加工、ハンドルは3mmに広げて皿ねじ穴に加工した。
バーエンドは短いシンプルなものを買った。M6ボルトで着くが、カラーにはM6ボルト用の約6.5mmの穴が開いている。アルミで加工が簡単だからヘリサートを入れた。
右側はスロットルのパイプが動く。カラー固定のねじが緩んでスロットルが引っかかってはいけないので、ねじロック材を使った。左はグリップを接着剤で着けるだけだから単に締めるだけとした。イメージ通りに仕上がった。
2024年6月
左のグリップが緩む。接着剤を使って初めは着いているが、しばらくすると回ってしまう。外して脱脂して接着をやり直したが同じ。どうもグリップの内径が大きいのではないかと思う。接着剤なしで被せるとゆるゆる。接着剤は持っていたGクリアーを使っている。CB750はこれでちゃんと着いているし、カブも右側は着いている。
グリップ内径が大きいのが原因と仮定して、解決案としては。
- 接着剤を替える。
- ハンドルパイプに何かをかぶせて、外径をわずかに太くする。
- グリップを買い替える。
買い替えは最後にするとして、まず接着剤を吟味する。隙間が広くても使えそうなものでは、スーパーXを持っている。しかしこれは強力で外すときに苦労しそう。そこで液体パッキンを使ってみた。本来こういうところに使うものではないと思うが、金属・ゴムに使えて隙間を埋めるのに使うものだから行けるのではないか。使ったのはホルツのガスケットシール。効いてくれるかどうか。これでダメならスーパーXを使うか、それともハンドルパイプに収縮チューブでもかぶせてみるか。
数回走った。いまのところ左グリップは接着・固定されている。
左グリップはしばらくしてまた回りだした。グリップの内径が大きくて接着が外れてしまうと思うので、ハンドル側外径を太くしてみよう。φ20mmの熱収縮チューブがあるので、径を広げて被せた。接着剤はGクリアーを使った。どうだろうか。
2024年7月
左グリップは固定されている。調子良い。
メインジェット交換 #85→#82
調子良く走っている。何度か給油して、燃費は43km/Lくらい。72ccでノーマルキャブのときは48km/Lくらいだった。もう少し良くならないものだろうか。
#85にしたのは上り坂で全開のときのオーバーヒートを抑制するため。しかし改善はしたものの解決には至らなかった。上り坂で全開走行はあえてやってみただけで、日常の走行では起こらないこと。平地・市街地を走るのには#82でもいいと思う。それでメインジェットを#82に替えることにした。替えて走った。平地・市街地では違いは判らない。
2024年8月
燃費は45km/Lくらい。走行は快調。左グリップも固定されている。