スーパーカブC70CM-H 2022年
ホイール塗装~キャブPZ19調整~ハンドルカバー交換~CDI/IGコイル交換

タイヤ交換とホイール塗装

2022年2月
 少し暖かくなってきたので後輪周りを触った。
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*タイヤ・チューブ交換
*ブレーキシュー交換
*ホイール塗装
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 Rホイールを外して洗剤で洗浄。ブレーキパネルも塗装したいので分解して洗浄。ホイールを洗っていて、ベアリングを買ってあったのを思い出した。追加作業発生。
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*Rホイール周りのベアリング交換。
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 ホイールのベアリングを抜く。ベアリングは壊れてもかまわないので、マイナスの貫通ドライバーで叩き出した。入れるのが少しは楽になることを期待して、ベアリングは冷凍庫で冷やしておいた。ホイール側をドライヤーで暖めて、ベアリング打ち込み。初めは宛て木をして、最後は古いベアリングを当てて叩いた。反対側からスペーサーを入れてベアリングを打ち込む。気をつけていたが、少し入れすぎて回りが悪い。貫通ドライバーを当てて、そっと叩いて少しだけ出した。
 スプロケットのフランジに入っているベアリングも交換。こちらもベアリングは冷やしておいて、フランジは小さいからコンロで暖めた。しっかり暖めたせいか、ホイールよりも入れ易かった。
 純正ベアリングは、ホイールは片側ゴムシール型、フランジは開放型が入っていた。交換したベアリングは全て汎用品のZZを使った。軸の部分まで水没しない限り、問題ないかなと思って。ブレーキ側だけはゴムシールの方が良かったかも。

 ベアリング交換でホイールに油が付いたように思うので、もう一度洗浄してから塗装。密着スプレーを吹いてから、シルバー色の汎用ラッカーで塗装。一応、高耐久と表示されている銘柄を使った。以前、Fホイールを塗装したとき、スポークが予想以上にきれいになったので、今回はスポークも意識して塗った。ブレーキパネルも塗って、2日ほど乾燥。
 ブレーキパネルには新しいNTB製ブレーキシューを取り付け。
 タイヤ交換。ホイールの塗装を痛めないように、アルミリム並にリムガードを使ってタイヤ組み付け。タイヤは前輪に使っていたIRC製。外した後輪タイヤは廃棄。リムバンドは新品に交換。チューブは交換の予定だったが、十分きれいなのでそのまま使った。
 ホイールとスプロケットフランジの嵌め合いに入っているOリングも交換した。汎用品のP-40を使ったが、純正よりも線径が太いためか、ちょっときつい。P-40は線径3.5mm、G-40:線径3.1mmの方が良かったか。
 ホイールを取り付けて、チェーン調整・給油、ブレーキ調整、試運転。初めブレーキの効きが悪かったが、後輪ブレーキを意識して使っていたら、間もなく普通に効くようになった。いたって正常。

2022年3月
 キャブレターの清掃。キャブレター交換以来いろいろ調整して、調子はとても良い。燃費が悪くなったのが唯一不満なところで、しかし口径の大きいキャブレターに交換したので、こんなものかとも思う。以前、純正キャブで燃費が悪くなったときに、いろいろやって効果があったのが、フロートバルブの受け側の清掃だったことを思い出した。他に思いつかないので、同じことをやってみることにした。
 ガソリンを抜いて分解。少しゴミが入っている。燃料タンク内部に錆が出ているのだろう。
 フロートバルブを外して、ボディの受け側を綿棒にクレンザーを付けて清掃。綿棒が金属粉で黒くなり、受け側は光沢が出た。一応、クリーナースプレーで各部を吹いて通っていることを確認した。
 元通りに組んで試運転。走った感じに特段の変化はなく、今まで通り調子良い。

スロージェット・メインジェットの調整

2022年4月
 フロートバルブを清掃してみたが、特に変化無し。キャブレターの調整をもう一度やってみようと思う。走行に関して調子は良い。しかし不満がある。
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*燃費が悪い。キャブレター口径を大きくしたから仕方がないのかもしれない。でも、なんとかしたい。
*プラグの焼け方からして、濃いように思う。ノーマルキャブのときはNGK7番で良い感じだった。今は6番でも燻り気味。
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 プラグの様子から、もう少し薄くして良いように思う。しかし現状メインジェットは85番で調子が良い。82番では薄くて息つきを起こした。そこでMJ85で油面を下げてみた。始動時にチョークを長く必要とするようになったので、薄くはなったと思う。しかし燃費やプラグの焼けは変わらない。
 この状況で、再度調整を試みる。いろいろ情報収集をして、スロージェットを大きくして、メインジェットを小さくしてはどうかと考えた。スロージェットが小さいのではないかとは思っていた。それはエアスクリューの調整が0.5回転くらいであったから。SJが小さすぎるのでASを締めないと合わないのだろう。SJを大きくすれば、MJを小さくしても整合が取れるのではないか。
 現状SJは40番。一つ大きい42番を購入。キタコのケーヒンAPE用として売っているものを使った。MJはセットを購入してあるので82番を使う。交換してエアスクリューの調整。1回転戻しくらいが良い感じ。試運転は良好、調子良い。全域で息つきは感じられない。20分くらい、結構回転を上げて走った後プラグを見ると、接地電極と碍子は以前よりも焼けている。これでしばらく様子を見る。



 連続で60km程走った後のプラグ。流れの良い田舎道を車のペースに任せて走った。プラグはCR6HSA。以前よりはカーボンが少なくて良い感じ。走行はいたって快調。以前、SJ40・MJ82を試したときは中速~高速で息つきを起こした。SJを変えて高速域がこれほど変わるとは思わなかった。

ハンドルカバーの交換

2022年5月
 ステムベアリングのがたつきが気になって増し締めした。昨年ベアリング交換したときに、レースの打ち込みが足りなかったのではないかと思う。走行の振動で少しずつ入って、弛んだと想像している。調子良くなった。たぶん、また弛むのだろう。
 ステムベアリングを触るためには、ハンドルカバーを外す必要がある。カバーを分解したところ、上側カバーの固定ネジを受ける部分が崩壊した。ここは既に割れていて、分解する度に補修していた。接着剤を使って補修と補強を繰り返していたが、4個のネジ部分のうち2個が砕けて、1個は完全に崩壊した。これ以上修理は無理と判断して、応急処置でネジ2個とガムテープで固定した。
 ヤフオクで中古品のハンドルカバー上下セットを買った。送料込みで約2600円。まあまあきれいな品が来た。固定ネジ受け側(上側カバー側)2箇所に亀裂があったので接着剤で補修。注意書きのステッカーがことごとく合わない(二人乗り不可・4速シフトパターン・グリップヒーター)ので、全部剥がした。

 交換。ハンドル周りのワイヤー類と配線を分解して、下側カバーごとハンドルを外す。ハンドルを外したついでに、ステアリングステムのネジを増し締め。先日締めたばかりなので、ほんの少しだけ。
 下側カバーを交換してハンドルを取り付け、ワイヤーと配線を元に戻す。上側カバーも着けて元通りになるまで、約2時間の作業だった。
 フロントカバーとハンドルカバーが干渉する。昨年フロントカバーを互換品に交換したときから、隙間がわずかで脱着時に干渉していた。着けてしまえば走行時は問題なかったので、そのまま使っていた。微妙に寸法が違うのか、走行時も干渉するようになった。フロントカバーを2mmほど削って解決した。

2022年6月
 SJ42・MJ82に換えてから数回給油した。燃費は49km/Lくらい。ノーマルキャブレターと同等の燃費になった。走行も快調。SJ変更をもっと早く試すべきだった。1年ほど悩んでいた不具合が解消して気分が良い。

走行中にエンジン停止

2022年8月
 走行中にエンジンが止まった。少し前に、全開走行中に失火を感じたことがあった。そのときはアクセルを少し戻したら安定した。関係があるのかどうか??
 再始動できない。キャブに燃料は来ている。プラグは見た目は正常。火花が飛んでいないか? 何度かやっていると、火花が飛ぶときと、飛ばないときがあるように思う。プラグキャップを外してみたが、見た目は正常。念のためにコード先端を1cmほど切って(引きちぎって)キャップを着けた。もう一度火花を見ると、同じように飛ぶときと飛ばないときがあるみたい。プラグを着けて始動できた。いけそうなので走り出したら調子良かったが、少し走ってまた止まった。止まる前にアフターファイヤーが起こった。やはり点火系統か。もう一度プラグを外して火花を見る。プラグコードを動かすと飛んだり飛ばなくなったりするように思う。最初に止まってから既に一時間近く経っている。道端ではできることが限られる。プラグコードの取り回しを触って、ダメなら回収車を手配しなければ。何度かいじって、火花が安定したように思える。プラグを着けて始動成功。再び走り出して家に無事到着。
 この始末はどうするか。このイグニッションコイルはプラグコードが硬化してどうにもならないので、途中で切って汎用品を繋いで使っている。とりあえず点火コイルを仕入れて交換してみようか。

 後日、用事で乗ろうとしたら掛からない。プラグを外して見たら、火花が飛ばない。前回と同じようにプラグコードをいじっても変化無し。前回はラッキーで回復しただけだったのか。だとしたら本当にラッキーだった。イグニッションコイル本体あるいはCDIか?

部品の手配と交換

 中華部品を手配した。イグニッションコイル2種類とCDIユニット、合計3個の部品で送料含めて約1800円。早く欲しいので送料が高くなって、この値段になった。コイルはちょっと興味があって、安いこともあり違う形式で2個買ってみた。
 到着して早速交換。まずCDIを交換。予想が当たったみたいで火花が飛んでいる。このCDI、純正品より大きいので、純正品のゴム製ブラケットが使えない。検討の結果、ベルクロで止めることにした。試運転は正常。

燃料タンクの錆落とし

2022年9月
 時間が取れたので燃料タンク内部の錆落としを実行。車載でもできるけれども、他にやりたいことがあるので燃料タンクを外した。中をのぞくと錆びていると言うよりもゴミが溜まっている。まず洗剤で洗うことにする。アルカリ系の洗剤液を入れて良く揺すってから、液を満たして3時間ほど放置。排出するとゴミがたくさん出てきた。洗浄するだけで良かったかも。でもそのゴミの元は大方錆だと思うから、錆落としもする。
 水で洗ってから、錆取り剤を入れる。錆取り剤はモノタロウの中性タイプを使った。10倍希釈液でタンクを満たして24時間放置。液を排出して中をのぞくと、あちこち黒っぽく変色している。錆取り剤の効果だろうと納得した。廃液はまだ使えるだろうから、捨てずに取っておいた。部品の錆取りに使えるだろう。
 タンク内部を水洗いした後、仕上げにもう一度、少量の10倍希釈液で内部を洗い、排出。その後は水洗いせずに乾燥させるとのこと。素直にその通りにした。

追加作業~燃料タンク外側の塗装

 タンク外側も汚くなっているので塗装する。隠れる部分だから塗料は何でもいいのだけれども、外装用に使う予定の塗料を、色の確認のために使ってみる。塗料は「アスペンラッカースプレー紺色」。たぶん使える程度に近い色と思って買っておいたもの。結果は、まあちょっと違うけれども、素人レベルではこんなものでも良いかな。目的がそんなことなので、簡単に水研ぎして錆止め塗料を薄く吹いてから、ラッカースプレーを2回吹いて終了。

追加作業~IGコイル交換と燃料計センサー修理

 走行中にエンジン停止した原因はCDIだと思うが、いっしょに買ったイグニッションコイルも使ってみたいから交換した。新しいモデルに使われているタイプなので、90° 曲がったブラケットが必要。汎用の金属ブラケットで対応。配線のコネクターはそのままで接続できた。火花は普通に飛んでいる。
 燃料計の動きがぎこちないのが気になっていた。かつて修理しようとしてセンサー部分を分解してみたが、かなり細かい作業で難しかった。そのときは忙しくて深追いせず、少しましになった程度で終わった。今回は外して、テーブルの上でじっくりやった。小さい基板に電極を作ってあって、フロートにつながったバネ電極が基板の上を滑るというもの。とても薄いバネで、変形している(ようにみえる)。ピンセットでこんなものかな、と思う程度に修正して組み立てた。つないで動かしてみると快調に動く。

組み立て~トラブル発生

 予定の作業を終えて組み立て。燃料ホースは再使用。仮組みでガソリンを流してエンジン始動。快調に動く。ガソリン漏れもなさそう。全て組み立てて試走するとトラブル発生。高回転で息つきする。ガソリンが薄い感じ。止まってプラグを見ると、真っ白に焼けている。完全にあかんやつ。給油口キャップも掃除したので、エア抜き穴がふさがったかと思って、キャップを外して走ってみたが変化無し。ジェットが詰まったか? しかしなぜ?
 仕方がないので分解。念のためにキャブレター側で燃料ホースを外して、燃料の流れを確認。燃料キャップを閉めていて普通にドボドボ出てくるので問題なし。キャブレターを分解してみると、スロージェットが詰まっていた。クリーナースプレーでは抜けなくて、細い針金を通して清掃した。ジェット類とエアースクリューをエンジンコンデショナーに漬けて洗浄。油面を確認すると15mm。これは昨年16mmにしたはずなので、再度16mmに調整。
 組み立てて試運転。快調と思ったが、全開走行を続けると少し息つきする。プラグの焼けは少し良くなったが、燃料タンクを触る前よりは焼けている。エアスクリューは1回転戻しだったが、今は3/4くらいが調子良い。まだ薄い。油面を15mmのままにしていたら、調子良かったかも。
 なぜ燃料タンク内部を洗浄したらジェットが詰まったり、調子が変わったりするのだろうか。燃料フィルターやフロート室から排出したガソリンには、目視できるようなゴミや水分は見えない。しかし水性の錆取り剤を入れて、それを乾燥して成分がタンク内に残っている。もしかしたら乾燥しきっていない錆取り剤が残っていたかもしれない。微量かもしれないが何か「違う」ものがガソリンに混ざっているのは間違いない。いたずらにいじるよりは、全開走行を避けてしばらく様子を見るか。今のガソリンが無くなって、給油したら何か変化があるかもしれない。

2022年10月
 燃料を給油した。引き続き全開走行は避けている。体感的には特に問題なし。プラグの焼け方は少し変化して、薄茶色で良い感じ。

2022年11月
 調子良く走っている。短時間の全開運転も試している。体感的には至って正常。プラグは白く焼けている。ぎりぎり正常の範囲内だと思う。もう一度燃料補給した後で同じような焼け具合だったら、もう一度キャブレターを分解してみよう。
 CDIユニットを交換したとき、サイズが大きくなって固定用のゴム部品が使えなかった。そのときはベルクロで固定しておいた。調べてみると、もう少し新しいモデルはCDIユニットのサイズが大きくなっているらしい。大きいCDI用のゴム部品を購入してみたら、この中華CDIにぴったり合った。
30401-GB4-680 クッションCDIユニット

 燃料補給した。様子は特に変わらず。プラグはちょっと焼け気味で、ときどき息つきを感じる。変化無しと判断してキャブレターを分解した。
 スロージェットの中にわずかに異物が付いているように見える。前回の分解・清掃作業で見落としたのか、あるいはその後に再び付着したのか。注意して点検すると、スロージェットやメインジェットホルダーの側面に開いている穴が詰まっているところがある。こんどは全てきれいにした。ケミカルでは抜けなかった。細い針金が必要だが無いので、より線の電線を切ってきて、素線を3本撚って使った。銅線で柔らかくて作業が難しかった。丁寧に擦って異物は取れたと思う。
 前回油面を16mmに調整したが、少し上げて15mmに設定した。ちょっとだけ濃くなる方向。試運転では快調。でも作業前でも普通に走れていたから、しばらく様子を見る必要はあると思う。
 何度か走ってプラグを見ると、薄茶色で良い具合に焼けていた。今回のキャブレター整備で変化があったと思う。

二次エアーを吸っている?

2022年12月
 このところキャブレターをいじっていて、アイドリングが下がらないのが気になっていた。調整ネジを緩めても、エンジンが止まるところまでいかない。分解して観察したが、スロットルバルブはボディに当たるところまで下がっている。何かが引っかかっているような様子はない。スロットルバルブの下端が少しざらざらしているので、砥石で磨いてみたが変化無し。
 他に何か無いかと考えて、エアー漏れを疑った。インレットパイプとキャブレター間の継ぎ目にクリーナースプレーを吹くと、エンジンが止まった。エアーを吸っているようだ。ここにはOリングとガスケットが入っている。合わせ目を見ると、インレットパイプ側は問題なさそうだが、キャブレター側が平らではないようだ。砥石で研磨した。かなり削って、やっと平らになった。組み立ててみると、「まし」にるくらいで、スプレーをたっぷり吹くと止まってしまう。Oリングだけ/ガスケットだけにして試してみたが変化無し。ガスケットに液体パッキンを塗って、これならさすがにエアーを吸わなくなるだろうと思ったが、これでもまだ止まる。行き詰まってしまった。何かヒントが見つからないかと思って、残していたノーマルキャブレターを眺めていると、Oリングがちょっと違うのに気がついた。PZ19のものより線径が細いように思う。比べると、PZ19付属品は線径2.4mm。純正は2.0mm。純正品のOリングはずいぶん硬化しているが試しに交換してみると、もう少し「まし」になった。残念ながら、たっぷりスプレーを吹くと止まる。
 インレットパイプのところでエアーを吸っているのは、今まで気がつかなかった。ジェット類の交換と油面調整で良い調子になったと思っていた。しかし二次エアーを吸っていたとなると、出発点が狂っていたことになる。
 エアー漏れを対処している間、アイドリングが下がらないことに関しては変化無し。エアー漏れは関係無いのか? スロットルバルブが下がりきっているのにエンジンが止まらないなんて、どこからエアーと燃料を吸っているのだろう。不思議。
 Oリングが硬化していたので、汎用品を買って交換した。ついでにマニホールド/シリンダーヘッド間のOリングも交換した。キャブ側内径24.5mm/径2mm、シリンダーヘッド側内径27.5mm/内径2mm。